登録日本語教員の資格を取得したいけれど、
「日本語教員試験の免除を受けられる場合があるって本当?」
「以前、日本語教師養成講座を受講した人や、日本語教育能力検定試験に合格した人はどうなるの?」
と疑問に思っていませんか?
登録日本語教員の資格取得には、通常の試験ルートや養成機関ルートのほかに、一定の条件を満たす人を対象とした「経過措置」が設けられています。
経過措置の対象になると、これまでの学習歴や日本語教育の実務経験などに応じて、日本語教員試験の一部または全部、実践研修などが免除される場合があります。
ただし、過去に日本語教師の勉強をしたことがある、あるいは日本語教育能力検定試験に合格したことがあるというだけで、必ず免除されるわけではありません。
この記事では、登録日本語教員試験の免除制度と経過措置の6つのルートについて解説します。
自分が対象になるかどうかを確認する際の参考にしてください。
登録日本語教員試験の免除制度とは?
登録日本語教員の資格取得に関する経過措置は、新しい資格制度への移行にあたり、これまでの学習歴や日本語教育の実務経験などを考慮して設けられた制度です。
一定の要件を満たす場合、通常の資格取得ルートとは異なる方法で資格取得を目指すことができます。
経過措置には、C・D-1・D-2・E-1・E-2・Fの6つのルートがあります。
それぞれ対象者や免除される試験、必要な講習などが異なります。
まずは、通常の資格取得ルートとの違いを確認しておくといいです。
通常の資格取得ルートとの違い
通常の資格取得ルートには、主に次の2つがあります。
試験ルート: 基礎試験と応用試験に合格し、実践研修を修了する。
養成機関ルート: 登録日本語教員養成機関で決められた課程を修了し、基礎試験の免除を受けたうえで応用試験に合格し、実践研修を修了する。
経過措置では、これまでの学習歴や実務経験などの条件によって、必要な試験や研修が異なります。
例えば、基礎試験のみが免除されるルートもあれば、基礎試験と応用試験の両方が免除されるルートもあります。
また、実践研修についても、免除の対象となる場合があります。
ただし、免除を受けるには、該当するルートの要件を満たし、手続きを行う必要があります。
通常の資格取得ルートについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

登録日本語教員の経過措置には6つのルートがある
経過措置のルートは、これまでに修了した養成課程、日本語教育能力検定試験の合格歴、学位の有無、日本語教育の実務経験などによって判定されます。
ここでは、6つのルートの概要を紹介します。
経過措置の対象ルート一覧
| ルート | 主な対象・確認する条件 | 試験・研修の概要 |
| C | 所定の養成課程等を修了し、学士以上の学位を有する人 | 基礎試験・実践研修が免除。応用試験は必要 |
| D-1 | 現職者で、所定の養成課程等を修了し、学士以上の学位を有する人 | 基礎試験・実践研修が免除。所定の講習と応用試験が必要 |
| D-2 | 現職者で、所定の養成課程等を修了し、学士以上の学位を有する人 | 基礎試験・実践研修が免除。所定の講習と応用試験が必要 |
| E-1 | 現職者で、対象期間に実施された日本語教育能力検定試験に合格した人 | 所定の講習の修了などが必要。基礎試験・応用試験・実践研修が免除 |
| E-2 | 現職者で、対象期間に実施された日本語教育能力検定試験に合格した人 | 所定の講習の修了などが必要。基礎試験・応用試験・実践研修が免除 |
| F | C・D・Eのルートに該当しない現職者 | 実践研修が免除。基礎試験・応用試験は原則必要 |
※これは各ルートの概要です。
養成課程の要件、検定試験の合格年度、実務経験、講習の修了状況など、細かな条件によって該当するルートや免除内容が異なります。必ず文部科学省の最新資料で確認してください。
Cルート:所定の養成課程等を修了した人
Cルートは、所定の養成課程等を修了し、学士以上の学位を有する人などが対象となるルートです。
対象となる養成課程等は、必須の50項目に対応していることなど、制度上の要件を満たす必要があります。
Cルートでは、基礎試験と実践研修が免除されますが、応用試験は受験する必要があります。
過去に日本語教師養成課程を修了している人でも、修了した課程が要件を満たしているかどうかを確認することが大切です。
D-1・D-2ルート:過去に養成課程等を修了した現職者
D-1・D-2ルートは、所定の養成課程等を修了し、実務経験などの条件を満たす現職者を対象としたルートです。
どちらも、基礎試験と実践研修が免除され、応用試験は受験する必要があります。
D-1とD-2では、過去に修了した養成課程等の内容によって、必要な講習が異なります。
- D-1ルート: 原則として講習Ⅱの修了が必要
- D-2ルート: 講習Ⅰ・Ⅱの修了が必要
ただし、養成課程の名称や修了した時期だけでは判断できない場合があります。
修了した課程がどの要件に該当するのか、公式の判定ガイドで確認すると良いです。
E-1・E-2ルート:日本語教育能力検定試験に合格した現職者
E-1・E-2ルートは、日本語教育能力検定試験の合格歴があり、さらに現職者としての要件などを満たす人が対象です。
E-1とE-2では、対象となる検定試験の実施期間が異なります。
- E-1ルート: 1987年4月1日から2003年3月31日までの間に実施された日本語教育能力検定試験の合格者
- E-2ルート: 2003年4月1日から2024年3月31日までの間に実施された日本語教育能力検定試験の合格者
E-1・E-2ルートでは、所定の講習を修了するなどの条件を満たすことで、基礎試験・応用試験・実践研修が免除されます。
ただし、検定試験の合格歴だけで対象になるわけではありません。現職者としての要件や講習の修了など、必要な条件を満たす必要があります。
私は、経過措置E-2ルートで免除申請をしました。
実際にどのように申請したのか、手続きの流れについては、こちらの記事で紹介しています。

E-2ルートに該当する可能性がある方は、公式資料で要件を確認したうえで、申請体験記事も参考にしてください。
Fルート:ほかの経過措置ルートに該当しない現職者
Fルートは、C・D・Eのルートには該当しないものの、現職者としての要件を満たす人が対象となるルートです。
Fルートでは、実践研修が免除されますが、基礎試験と応用試験は原則として受験する必要があります。
ただし、過去の基礎試験の合格状況などによって確認事項が異なる場合があります。
自分の状況に応じて、公式の判定ガイドや申請の手引きを確認してみてください。
経過措置の対象になるために確認したい3つのこと
自分がどのルートに該当するのかを確認する際は、次の3点を整理しておくとスムーズです。
1.これまでに修了した養成課程や講習
過去に日本語教師養成課程を修了したことがある場合は、課程の名称や修了時期、修了証明書などを確認しましょう。
同じように「日本語教師養成講座」と呼ばれる課程でも、制度上の要件に該当するかどうかは異なる場合があります。
2.日本語教育能力検定試験の合格歴
日本語教育能力検定試験に合格している場合は、合格した年度を確認しましょう。
E-1とE-2では対象となる期間が異なるため、合格歴はルート判定に関わる重要な情報です。
3.日本語教育の実務経験
D・E・Fなどのルートでは、現職者としての要件を満たす必要があります。
実務経験については、勤務先の種類や勤務した期間など、制度で定められた条件を確認する必要があります。
単に日本語を教えた経験があるだけでは、対象になるとは限りません。
勤務先や勤務期間を整理し、必要に応じて勤務先に証明書類について相談しておくと良いです。
経過措置の申請前に注意したいこと
経過措置の対象となる可能性がある場合でも、条件を確認せずに申請を進めるのはおすすめしません。
特に、次の点に注意してください。
- 自分の経歴だけで判断せず、公式のルート判定ガイドを確認する
- 必要な講習がある場合は、出願前に修了しておく
- 学位や養成課程の修了、検定試験の合格、実務経験などを証明する書類を確認する
- 複数のルートに該当する場合は、それぞれの条件を比較する
- 申請期限や必要書類は、その年度の試験案内で確認する
経過措置は期間が定められている制度です。
対象になる可能性がある方は、早めに必要な条件や書類を確認しておくことをおすすめします。
自分に必要な試験対策を確認しよう
登録日本語教員の資格取得にあたって、試験の一部や実践研修が免除されるかどうかは、これまでの学習歴や実務経験などによって異なります。
まずは自分がどのルートに該当するのかを確認し、必要な試験や講習、手続きを整理しましょう。
基礎試験や応用試験の対策が必要な方は、自分が受験する試験に対応した講座を選ぶことも大切です。
登録日本語教員試験の対策講座を比較したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
→【登録日本語教員試験の対策講座を比較!費用・教材・サポートで選ぶポイント】
制度の条件を確認し、自分に必要な準備を一つずつ進められますように。

