
「日本語教師になったら、どのくらいのお給料がもらえるの?」
日本語教師を目指している人にとって、仕事内容や資格の取り方と同じくらい気になるのが、給料や働き方ではないでしょうか。
日本語教師の給料は、常勤や非常勤などの雇用形態だけでなく、勤務する地域や学校、経験年数、担当する仕事などによっても変わってきます。
この記事では、公開されている給与調査や求人情報をもとに、日本語教師の給料の目安をご紹介します。
常勤と非常勤の違いや、地域による給与差、仕事を選ぶときに確認したいポイントについても解説します。
主に国内の日本語学校で働く日本語教師についてお話しします。
給与データは調査対象や集計方法によって異なるため、出典を掲載しながらご紹介します。
日本語教師の給料・年収はいくら?
日本語教師の給料は、働き方によって大きく違います。
常勤講師は月給制や年俸制、非常勤講師は授業1コマごとの報酬制など、給与の仕組みが違うことがあります。
| 働き方 | 給与の仕組み | 収入を調べるときのポイント |
| 常勤講師 | 月給制・年俸制など | 年収、賞与、手当、勤務時間 |
| 非常勤講師 | コマ給など 1コマの報酬 | 担当授業数、授業外業務 |
なので、常勤と非常勤を比較するときは、月収だけを見るのではなく、年間の収入や勤務時間、授業以外の業務も確認しながら考える必要があります。
常勤講師と非常勤講師の給与を以下の表にまとめました。
| 給与 | 中央値 | 平均額 | 調査対象人数 | 調査時期 |
| 常勤講師 | 年収340万円 | 年収345.5万円 | 232名 | 2026年3月〜4月 |
| 非常勤講師 | 2,000円(1コマ45分) | 2,088円(1コマ45分) | 761名 | 2026年3月〜4月 |
平均値:全員の数字を足して、人数で割ったもの(全体のボリュームがわかる)
中央値:全員を順番に並べたとき、真ん中にくる人の数字(全体の中の「普通」がわかる)
例えば、「月収20万、25万、30万、300万」という4人がいた場合、平均値は93万円になりますが、中央値は27.5万円になります。
一部の極端なデータ(高給の方)に引っ張られて実際の状況が見えにくくなるのを防ぐため、二つの数値があります。
給与調査の結果は、すべての日本語教師が同じ金額を受け取っているという意味ではありません。
勤務先や経験などによって差があるため、実際の求人情報もあわせて確認してみることが大切です。
常勤の日本語教師の給料・年収
常勤の日本語教師は、日本語学校などで継続的に勤務する働き方です。
給与は月給制や年俸制などがあり、勤務先によっては賞与や各種手当が支給されます。
給与体系や福利厚生は学校によって異なるため、求人票で確認する必要があります。
常勤講師の年収・月収の目安
| 給与 | 中央値 | 平均額 | 調査対象人数 | 調査時期 |
| 常勤講師 | 年収340万円 | 年収345.5万円 | 232名 | 2026年3月〜4月 |
年収を月額に換算すると、給与水準をイメージしやすくなります。
ただ、賞与を含む年収を単純に12で割った金額と、実際の毎月の給与は異なる場合があります。
また、求人票に記載されている月給が、基本給なのか、固定残業代や手当を含む金額なのかも確認してみるのがおすすめです。
常勤講師の仕事内容
常勤講師の仕事は、授業を担当することだけではありません。
勤務先によっては、次のような業務も担当します。
- 授業の準備や教材の作成
- 学生の出欠管理や学習状況の把握
- テストの作成・採点
- 学生からの相談への対応
- 教員間の打ち合わせ
- 学校行事や進路指導に関する業務
実際にどこまで担当するかは学校によってそれぞれです。
給与を比較するときは、金額だけでなく、どのような業務が含まれているのかも確認してみてください。
常勤講師の求人を見るときのポイント
常勤講師の求人を比較する際には、次の項目を確認します。
- 月給・年収
- 賞与や昇給の有無
- 固定残業代の有無
- 勤務時間と休日
- 担当授業数や授業以外の業務
- 必要な資格や経験
- 社会保険などの福利厚生
同じ常勤講師でも、給与だけでなく勤務条件にも違いがあります。
自分が希望する働き方と照らし合わせながら、求人を比較することが大切です。
常勤講師の待遇について、私が実感したこと
私が非常勤講師として日本語学校で働き始めてしばらくした頃、コロナ禍が始まりました。
当時、学校で働いていた非常勤講師は、全員がしばらくのあいだ仕事がなくなると告げられました。
それまで、常勤と非常勤の違いを深く考えたことはありませんでした。
しかし、自分の仕事がなくなるという経験を通して、常勤講師の待遇や雇用の安定性はこういう時に大事なものなのだと実感しました。
日本語教師の給与を考えるときは、月収や年収だけでなく、仕事が減ったときや、働けなくなったときに、どのような保障があるのかという視点も大切だと身をもって感じています。
非常勤の日本語教師の給料・月収
非常勤講師は、担当する授業数などに応じて給与を受け取る働き方です。
勤務日数や授業数を調整できる場合がありますが、担当できる授業数によって毎月の収入が変動することもあります。
非常勤講師のコマ給はいくら?
| 給与 | 中央値 | 平均額 | 調査対象人数 | 調査時期 |
| 非常勤講師 | 2,000円(1コマ45分) | 2,088円(1コマ45分) | 761名 | 2026年3月〜4月 |
非常勤講師の求人では、授業1コマ当たりの給与が書かれていることがあります。
ただ、1コマの長さは求人によって45分だったり90分だったりするので、給与を比較するときは授業時間をそろえて考える必要があります。
また、授業準備や採点などに対して給与が出るかどうかも確認しておきたいです。
非常勤講師の月収をシミュレーション
非常勤講師の月収は、担当する授業数によって変わります。
例えば、1コマ45分当たりの給与を2,000円、1週間の担当コマ数を8コマとした場合、4週間分の授業報酬は次のように計算できます。
月収の概算=2,000円×8コマ×4週間=64,000円
これはあくまで概算です。
授業がない期間、担当コマ数の変動、交通費、授業準備などの業務によって、実際の収入や働いた時間は変わります。
非常勤講師として働くときの注意点
非常勤講師の求人を見るときは、コマ給だけでなく、次の点も確認しましょう。
- 週に何コマ担当できるのか
- 授業がない期間も報酬が発生するのか
- 授業準備や採点の時間は報酬に含まれるのか
- 交通費は支給されるのか
- 授業数が減る可能性はあるのか
- 複数の学校を掛け持ちできるのか
コマ給が高くても、担当できる授業数が少なければ、月収が思ったほど増えないこともあります。
非常勤の給料は、授業の報酬だけで判断しないことも大事
非常勤の日本語教師の給与を見るときは、コマ給だけでなく、授業準備などにかかる時間も考えてみると良いです。
私自身、非常勤講師として日本語学校で働いた経験があります。
これまでの実際の働き方をふりかえると、コマ給だけでは、準備に必要な時間やどれくらいの仕事を任されるかなどはわからないと感じます。
非常勤講師として働いた実際の経験については、以下の記事でご紹介しています。


日本語教師の給料は地域によって違う?
日本語教師の給料を調べるときは、全国の平均や中央値だけでなく、勤務する地域にも注目してみてください。
地域によって求人の給与水準や募集件数がちがう可能性があります。
また、同じ地域でも、学校の規模や仕事内容、応募条件などによって給与に差が出ることもあります。
地域別の給与を比較
| 常勤講師 | 非常勤講師 | |||||
| 地域 | 中央値 | 平均額 | 調査対象人数 | 中央値 | 平均額 | 調査対象人数 |
| 関東 | 350.0万円 | 356.1万円 | 158名 | 2,150円 | 2,152円 | 435名 |
| 関西 | 320.0万円 | 325.1万円 | 34名 | 2,000円 | 2,045円 | 156名 |
| 北陸・東海 | 330.0万円 | 328.4万円 | 20名 | 1,850円 | 2,015円 | 76名 |
| 北海道・東北 | 310.0万円 | 318.5万円 | 6名 | 1,800円 | 1,940円 | 28名 |
| 中国・四国 | 320.0万円 | 315.0万円 | 5名 | 2,100円 | 1,965円 | 30名 |
| 九州・沖縄 | 310.0万円 | 308.8万円 | 9名 | 1,950円 | 1,890円 | 36名 |
給料だけでなく生活費も考えよう
地域によって生活費が異なるため、給与の高さだけで働く場所を決めるのは難しい場合があります。
例えば、給与が高い地域でも家賃や通勤費が多くかかれば、生活に使える金額は想像より少なくなるかもしれません。
給与が比較的低い地域でも、生活費を抑えられる可能性もあります。
就職先を選ぶ際は、給与だけでなく、家賃や通勤時間、勤務条件なども含めて考えることが大切です。
常勤と非常勤、どちらが自分に合う?
常勤と非常勤のどちらがよいかは、希望する働き方や生活状況によって異なります。
| 比較項目 | 常勤 | 非常勤 |
| 給与体系 | 月給制・年俸制など | コマ給など |
| 収入の見通し | 契約条件によるが、月給制なら予測しやすい | 担当授業数などに左右される |
| 勤務時間 | 学校の勤務条件による | 担当授業数や契約条件による |
| 授業以外の業務 | 担当することが多い | 学校や契約によって異なる |
| 福利厚生 | 雇用条件による | 雇用条件による |
安定した収入を重視する人
毎月の収入を見通しやすくしたい人は、月給制の常勤求人を検討する方法があります。
ただし、雇用期間や賞与、福利厚生などは求人ごとに確認しましょう。
私は実際に非常勤講師として日本語学校で働いていて、コロナ禍の時期がありました。
当時学校で働いていた非常勤講師全員、しばらくのあいだ仕事がなくなると告げられたこともありました。
自分の仕事がなくなるという経験を通して、常勤講師の待遇や雇用の安定性はこういう時に大事なものなのだと実感しました。
働く時間を調整したい人
育児やほかの仕事と両立したい人は、非常勤という選択肢もあります。
ただ、希望する曜日や時間に十分な授業を担当できるとは限らないため、実際の募集条件を確認することが大切です。
実際私も、日本語学校の非常勤講師をしながら、日本語学校以外のさまざまな場所で日本語教育に携わり、キャリアを築いてきました。
非常勤講師という働き方を選んだおかげで仕事が広がったという経験を以下の記事で詳しく書いています。


どちらの働き方でも、給与だけでなく、仕事内容や勤務時間、将来のキャリアも含めて考えると、自分に合う仕事を選びやすくなると思います。
日本語教師として収入を上げるには?
日本語教師として収入を上げたい場合は、給与の高い求人を探すだけでなく、経験を積みながらキャリアの選択肢を広げることも考えてみるといいと思います。
例えば、次のような方法があります。
- 経験を積み、より条件のよい求人に応募する
- 教務主任などの役職を目指す
- 進路指導や教材開発など、専門性を高める
- 自分の希望に合った勤務先や雇用形態を選ぶ
方法は色々ありますが、経験や資格を増やせば必ず給料が上がるわけではありません。
応募先の給与体系や昇給制度を確認したり、他の学校や会社などの求人情報、必要な経験、スキルなどを把握し、準備しておくことも大切です。
日本語教師になるには?資格取得から就職まで
日本語教師を目指す場合は、資格制度を理解したうえで、自分に合った取得ルートを確認してみてください。
国家資格である登録日本語教員については、試験や養成課程などのルートがあり、経歴によっては経過措置による試験の免除が適用される場合もあります。
資格取得の方法や免除条件については、以下の記事で詳しく解説しています。




資格取得だけでなく、取得後にどのような働き方をしたいのかを考えておくと、学習計画や就職先の選び方も具体的になると思います。
まとめ
日本語教師の給料は、常勤・非常勤といった雇用形態や、勤務先、地域、経験、担当業務などによって違います。
常勤講師は月給や年収を基準に比較しやすいですが、非常勤講師はコマ給だけでなく、担当授業数や授業外の業務も考える必要があります。
また、地域によって給与水準や生活費が変わる可能性があるため、全国の平均や中央値だけで判断せず、実際の求人情報も確認することが大切です。
日本語教師として働くことを考えている方は、給与だけでなく、自分が希望する生活や働き方に合っているかという視点を持ちつつ、就職先を探してみてください。









